ファッションカラーと白髪染めとは
美容の世界では、ヘアカラーは大きく「ファッションカラー」と「白髪染め」の2つに分けられます。どちらも髪の毛に色をつけるという目的を持っていますが、使用目的や仕上がり、成分の違いなどさまざまな面で異なります。この記事では、美容師やヘアカラーを選ぶ際の知識として役立つよう、ファッションカラーと白髪染めの違いについて詳しく解説していきます。
ファッションカラーとは？
ファッションカラーは、主に若者や流行に敏感な人たちが楽しむためのヘアカラーで、髪におしゃれな色合いを加えることを目的としています。髪の色を大きく変えたり、明るくしたり、トーンを調整したりすることで、個性を表現したり、トレンドに合わせたスタイルを実現したりすることができます。
1. 目的と仕上がり
ファッションカラーの最大の特徴は、「色を楽しむこと」に重点が置かれている点です。ピンク、ブルー、グリーンといった鮮やかな色から、ブラウンやアッシュ系などの自然な色味まで、幅広いカラーを選ぶことが可能です。これは、ファッションカラーが色のバリエーションを広く持っており、流行や好みに合わせて柔軟に選べるためです。また、髪全体を一色で染めるだけでなく、ハイライトやグラデーション、インナーカラーなど、部分的に異なる色を入れることで、立体感や動きを出す技術もファッションカラーの一部として活用されています。
2. 明るさの調整
ファッションカラーでは、髪の明るさを自由に調整することが可能です。明るめのトーンに染めたい場合、ブリーチという技法を用いて髪の色素を抜き、より明るいベースにすることが多いです。ブリーチを行うと、色味がはっきりと表現されやすく、発色の良さが際立ちます。たとえば、ブルーやピンクなどの明るい色を髪に乗せたい場合、ブリーチによって下地を明るくすることで、鮮やかに色を表現できます。
3. 一時的なカラーチェンジも可能
また、ファッションカラーには一時的に髪色を変える「ヘアマニキュア」や「カラートリートメント」などもあります。これらは髪の内部に浸透するわけではなく、髪の表面に色をつけるだけなので、シャンプーで落ちやすい特徴があります。短期間だけ髪色を変えたい場合や、イベントや特別な日のために一時的なカラーチェンジを楽しむのに最適です。
4. ダメージのリスク
一方で、ファッションカラーには髪にダメージを与えるリスクもあります。特にブリーチは、髪の内部のメラニン色素を破壊し、色を抜くため、髪が乾燥しやすくなったり、切れ毛や枝毛が増えたりすることがあります。そのため、ファッションカラーを行う際には、事前に髪の状態を確認し、ダメージを最小限に抑えるためのケアをしっかりと行うことが重要です。
白髪染めとは？
次に、白髪染めについて説明します。白髪染めは、主に年齢とともに増える白髪をカバーするために使用されるヘアカラーです。ファッションカラーが髪色を楽しむことを目的としているのに対し、白髪染めは白髪を目立たなくすることを目的としています。
1. 目的と仕上がり
白髪染めの一番の目的は、白髪を自然な髪色に戻すことです。白髪はメラニン色素が少ないため、黒髪や茶髪に比べて光を反射しやすく、目立ちやすい特徴があります。白髪染めは、これを抑えるために、髪全体を均一に染めることを重視しています。カラーバリエーションは、ファッションカラーに比べると少ないものの、ナチュラルなブラウン系や黒系、アッシュ系など、自然な色味が多く用意されています。
2. 白髪をしっかりカバー
白髪染めは、白髪をしっかりとカバーするため、髪の内部まで色素が浸透するように設計されています。一般的に、ファッションカラーよりも染料が強めに設定されており、色落ちしにくいのが特徴です。そのため、白髪が目立つのを抑え、染めた後も長持ちしやすい点が魅力です。
3. 頻繁なメンテナンス
ただし、白髪染めは髪が伸びると根元から白髪が再び目立ってくるため、定期的なリタッチ（根元染め）が必要になります。白髪が増えるほど、頻繁にメンテナンスが必要となるため、美容院に通う頻度も高くなります。この点では、ファッションカラーに比べて手間がかかると言えるでしょう。
4. 髪への優しさ
最近では、髪や頭皮に優しい成分を使用した白髪染めが増えてきています。たとえば、オーガニック成分を使ったものや、低刺激のカラー剤などが開発されており、髪や頭皮にダメージを与えにくい製品が人気です。こうした製品は、白髪染めを続けることで髪が弱くなることを防ぎつつ、きれいな仕上がりを保つことができます。
ファッションカラーと白髪染めの違い
ここまででそれぞれの特徴を説明しましたが、ファッションカラーと白髪染めにはいくつかの大きな違いがあります。
1. 目的の違い
ファッションカラーは髪色を楽しむために行うのに対し、白髪染めは白髪を目立たなくすることを目的としています。ファッションカラーは色のバリエーションが豊富で、個性やトレンドに合わせたカラーチェンジが可能です。一方で、白髪染めは自然な髪色に仕上げることが重視され、カバー力が求められます。
2. カラーバリエーションの違い
ファッションカラーでは、明るい色やトレンドカラー、特殊な色合いを選ぶことができますが、白髪染めはナチュラルな色味が中心です。白髪をカバーするという目的があるため、派手な色よりも自然な仕上がりが求められるからです。
3. 髪へのダメージとケア
ファッションカラーではブリーチを多用することがあり、髪に負担がかかることが多いですが、白髪染めはカバー力を重視しつつ、髪へのダメージを最小限に抑える技術が進化しています。特に、白髪染めは長期間続ける必要があるため、髪や頭皮への影響が考慮された製品が多くなっています。
4. メンテナンスの頻度
ファッションカラーは色落ちしやすい場合があり、特にブリーチを伴うカラーは短期間でのリタッチが必要になることがあります。一方で、白髪染めは根元の白髪が目立ってくるため、一定の頻度でメンテナンスが必要です。どちらも定期的なケアが求められますが、その頻度や手間は異なります。
まとめ
ファッションカラーと白髪染めは、どちらも髪に色をつける手段ですが、その目的や仕上がり、使用される技術には大きな違いがあります。ファッションカラーは個性を表現し、トレンドに合わせたスタイルを楽し
むためのもので、色のバリエーションや明るさの調整が自由です。一方で、白髪染めは白髪をカバーし、自然な髪色に戻すために使用され、持続性やカバー力が重視されます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の目的やライフスタイルに合ったヘアカラーを選ぶことが重要です。
